上州漁協のアユ解禁は6月4日(土)の未明
−−−今のところ冷水病の発生はなく、順調な生育−−−
H17鮎解禁のお知らせ

1 アユ稚魚放流量は6,172kgで約65万尾

平成17年3月26日に高崎市内と榛名町の烏川で稚魚放流を開始した「今年のアユ放流」も、5月6日に最後の放流を終了し、河川内でのアユ成育を見守る状態となっています。今年の放流量は6,172kgで、平均体重は約9.5gですから約65万尾のアユ稚魚が烏川・碓氷川・鏑川の3河川に放流されています。冷水病の発生がなく、カワウの飛来による食害の影響がなければ「すごい量」です。

河川の場所、養殖業者、放流日ごとの状況は別紙のとおりです。でも、放流されたアユはその場所で居付き、成長しているとは限らず、落ち着ける場所を求めて移動するので、放流一覧表は放流時点におけるアユの生息状況を示しているだけなので、ご注意下さい。 H17鮎放流表(放流場所別)  H17鮎放流表(業者、地区別)


アユ計量(斉藤養魚)

2 今年も6月の第1土曜日にアユ友釣りを解禁します。

一昨年に決めた、冷水病の症状が発生する前に解禁にして釣ってもらおうという方針は継続し、6月4日(土)に解禁することが理事会で決まりました。

土曜日は都合が悪い、会社が休みでないとの声もあり、日曜日に解禁との意見も理事の中であったようですが、平成17年1月の総代会で、既に6月第1土曜日での解禁との発言も出ていたこともあり、今年は6月4日の土曜日で決定とのことです。ただ解禁時間は、例年と異なり「未明」になりました。

3 今年の放流概況

上州漁協では群馬県の指導に従い、放流したアユ稚魚はすべて冷水病に感染していなことを群馬県水産試験場が確認した養魚場から購入して放流しましたが、その特徴は次のとおりです。

1、放流魚すべてが人工産アユ稚魚です。
2、放流時の稚魚の大きさは「平均体重で9.5g」くらいで、体長は大きな魚は14cm、小さなものでも8cmほどありました。
3、鏑川は放流魚すべてが「福島県熊田養魚場」の「海産系アユ」です。これは、昨年9月中旬まで順調に釣れた結果を評価した、
  鏑川水系の地区理事の強い要望が理事会で承認されたものです。
4、烏川・碓氷川は「県内産人工種苗」のみの放流結果となりました。成熟の遅い海産系種苗の放流も望まれるところですが、
  種苗の予約(契約)の関係で実現しなかったとのことです。

4 各河川の状況
6月21日(土)と22日(日)の2日間で各河川を廻って見ました。
私が見た範囲で、感じた状況は次のとおりです。
 
1、アユは間違いなくいる
烏川・碓氷川・鏑川の3河川とも間違いなくアユは残っているし、冷水病で死んでいるアユは現在確認されていません。
 
2、碓氷川・鏑川では既に16cm〜17cm
鏑川と碓氷川では、水温の低い上流部でも既に16cm〜17cm位の魚影が確認できます。実際に自分の目で確認したい人は、碓氷川の横川地区「中木橋」か松井田地区「中瀬大橋」から下流を眺めて下さい。団子状態の群れで泳いでいる16cm〜17cmに育った立派なアユを間違いなく見ることが出来ます。
 
3、烏川の上流部ではやや小型?
榛名地区から下流の烏川では順調な成長との情報を地区の役員から聞きましたが、上流の倉渕地区では、やや小振りなようです。相川橋上流で確認した魚影も小さいし、ヤマメを狙っていた人の川虫餌に食いついたアユも14cm前後と小型でした。まだ解禁まで2週間近くあり、減水して水温が高めとなっていることから、今後の成育が期待できると考えられます。
 
4、魚がいる場所、いない場所がハッキリしている。
琵琶湖産アユ稚魚の放流後に遡上し、分散する能力は非常に大きくて、松井田地区の約15Km位の区間でも「主要な2カ所」で放流をすれば、すべての流れで問題なくアユが釣れたそうです。でも、今の人工産アユ稚魚は放流した場所にとどまるか、増水等があれば下降する事例が多いようです。そして、多くの場合、稚魚の段階だけではなく、成長しても群れています。従って「いる場所、いない場所がハッキリ分かれ」、隣り合わせた場所でも、釣果は大きく差が出ているようです。
 
5、各河川とも減水状態
今春の降雨は、回数は例年並みのようですが、降雨量が少ないのか、各河川の水量は上流部で平水の3/4位の状況です。そして、アユが放流されている上流から中流の区間では、田植えの取水が本格化してきたことから、平水の半分程度となっている状況が多く、安中市内の九十九川など支流筋では「瀬切れ」まで発生するほどの減水状態も見られます。
 
6、下見が大切
以前の解禁でもそうだったのですが、特に人工産アユになってからは下見をして、アユが群れている場所を見つけておき、解禁日に入川する人が良い釣果に恵まれています。現在の減水状態がそのまま6月4日の解禁日まで継続するとしたら、条件の良い釣り場が例年よりも少なくなることから、下見が更に重要になると考えられます。


碓氷川(横川)


渇水の九十九川

5 漁協の活動に対して冷静な評価が欲しい

現在の釣り場は、自然繁殖による個体数の増加だけでは釣り人の要望に応えきれず、漁協の増殖放流により何とか魚影が維持されています。特にアユについては、上州漁協管内では基本的に100%放流の成果です。

放流後のアユ稚魚については、冷水病の発生とカワウの食害という、漁協の手に余る原因で減耗があり、年によってはうまくアユが釣れない状況も生まれています。しかし、地区の釣り人で構成されている漁協は「なんとか良い釣り場をつくろう」と役員がボランティアで放流をして、がんばっています。

アユ解禁となり、その結果で、釣りへ行った人達は色々なことを感じると思います。漁協に対する評価で「釣れないからダメだ」と悪口を聞きますが、「ダメなら、どのようにすればよいか」の提言をして下さい。「漁協の悪口」を言っているだけでは、釣り場は変わりません。

これからの釣り場を作るためには、釣り人が要望・意見をきちんと漁協に伝えることと、意欲のある地域の釣り人が漁協に加入して「放流と監視」を自ら担当することが必要です。

6 放流担当の3人の理事に感謝したいと思います

今年は延べ21回ものアユ稚魚放流を実施することとなりましたが、そのすべての放流を計画して、養魚場から放流場所まで活魚運搬車を運転し、放流作業を監督するという「大変な気苦労を感じながら労力を提供した」高崎地区の星野幸也放流部長(理事)と淡島敏彦理事、安中地区の伊藤友一理事に対して、漁協の地区役員として、釣り人の一人として謝意を表したいと思います。

放流と一口に言いますが、アユの場合、その計画・実行は河川ごとの水量や水温の上昇などに合わせて実施しなければいけないので「かなりの知識・情報」を勘案し、「今までの経験で得たノウハウ」を駆使しなければ「良いアユ稚魚放流」は実現しません。

上州漁協では、「星野放流部長と淡島理事」が放流を計画し、伊藤理事と共に作業全体を管理し、自ら放流作業を実施しているから「上州漁協のアユ放流が実現」できています。その熱意と放流に費やす時間と体力・気力は40歳代の私から見ても「すごいもの」があります。

もし「お前が60歳代の3人の替わりをするんだよ!」と言われれば、監視と放流作業のためにボランティア的に「年間50回以上」河川・湖沼を廻っている「地区役員」である私でも、平日の放流などのために仕事を休む関係などもあり、躊躇するものがあります。

「釣り場」の維持はこのような「自分が放流をやらなければ、魚影を維持出来ない」という強い思いを持つ、釣り人の代表である漁協役員がボランティアとして組合活動をしているから成り立っているのです。


−−−−− 上州漁協 松井田支部 総代 柳澤政之 −−−−−