病院のはなし(その3)

Vol.63

私の病室は4人部屋です、
部屋の中央に通路が設けられ、そして、左右各々の窓際と廊下側に分かれて
ベッドがカーテンで区画されます。
その二つの区画は、窓がもたらす明るさと開放感によって全く違った空間になります。

入院したとき、幸いにも、窓際でした。
おかげで好きな本が、何の障害もなく思う存分読むことができます。
そしてある時、私の病室から2人退院したのを機に、病室の移動を命ぜられます、
今度は、廊下側のベッドです。
本を読み始めたのですが、暗くて、陰気くさくて、病気になってしまいそうです?
本を持って、食堂に出かけました。

次の日、窓際の患者さんが退院しました。
「ひょっとして、窓際に変わることはできないだろうか?」


         


今まで生きてきて、人を押しのけてまで、何かをしたことがありません。
そして、それがけっこう、貧乏くじを引く結果になります。
なかなか欲しいものが買えない、レジでの支払いがドンドン後に押しやられる
先に席についたのに注文がドンドン後回しになる・・・・
何も言わずに、人の善意を待っているのですが、
自分の意見をちゃんと(正しい正しくないは別として)主張した人が
ドンドン私を追い越していきます・・・・まーいいかー、ちょっと腹立たしいけどネ。

本を読むには窓際の方がいいなー、変えてもらうように頼んでみようか・・・
(でも、患者さんのこんな要求を全て受け入れてたら、きりがないんだろうな)
病院だって人気商売、ある程度、患者さんのわがままは聞いてやりたいはず・・・
(でも、正当な理由づけがあった方がいいんだろうな)
本を読むには暗いことを第一に主張、話の流れによっては、病院側の都合で
窓際のベッドから廊下側のベッドに移ったことを言ってもいいかな。

結果、再び窓際のベッドを確保しました。

窓際のベッドに移るときに、前からいる廊下側の患者さんがつぶやきました
「ベッド変わるんや!」
そして、30分というタッチの差で、新しい患者さんが前の私の廊下側のベッドに
入りました。



 

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